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秀英舎のよもやま話~変遷~

皆さんこんにちは!

株式会社秀英舎、更新担当の中西です!

 

~変遷~

 

“運ぶ”から“現場のスループットを設計する”仕事へ ️

建設現場の当たり前——必要な資材が、必要な階・必要な数・必要な時間に並んでいること。
この当たり前は、荷揚げ(揚重・資材搬入)の段取り力で成り立っています。ここ10〜20年で現場環境は大きく変わり、荷揚げ業者に求められる役割も運ぶ人から工程を前に進める人へと進化しました。本稿では、時代の変遷を振り返りながら、いま現場が荷揚げに求める中核ニーズを整理し、すぐ使える実装アイデアまで落とし込みます。


1|時代の変遷:荷揚げの“当たり前”はこう変わった

① アナログ大量搬入 → JIT・細分化搬入(半日スロット)⏱️

  • 以前:仮置き場に“まとめてドン”。現場は置場広く、工程も緩め。

  • いま:都市部の狭小現場・短工期が一般化。30〜60分の時間窓でエレベーターやクレーンを共用、午前○セット/午後○セットジャスト・イン・タイムが標準に。

② 人海戦術 → マテハン・安全標準化

  • 以前:体力勝負、属人的。

  • いま:台車・ハンドリフト・階段昇降機・簡易リフト・荷揚げロボの活用、合図・ゾーニング・養生の標準化で“軽く・安全に”。

③ 口頭連絡 → デジタル同期(ETA/ePOD/フロアマップ)

  • 以前:電話と紙伝票。

  • いま:到着予測(ETA)共有、電子受領(ePOD:写真・個数・位置)、フロア別配置図のクラウド共有で“待ち”と“探し物”を削減。

④ 一括請負 → 多職種インターフェース

  • 以前:運ぶ=完了。

  • いま:内装・電気・設備・サッシなど各職種の作業順まで踏み込み、「どの順に並べれば今日の生産性が上がるか」を設計。**“置き方の質”**が評価対象に。

⑤ 労務規制の強化 → 中継・スロット・待機課金の明確化 ⚖️

  • 長時間拘束の是正に伴い、中継輸送・時間窓厳守・待機時間の可視化が進行。“無理やりどうにか”の余地は縮小、契約と運用の設計力が差に。


2|いま現場が求める核心ニーズ(5本柱)

1) 時間の正確さ:待たせない段取り

  • スロット予約(クレーン・搬入路・EV占有)

  • ETA共有でクレーン・職種と時間で合流

  • 差し込み枠を1日数本確保して“急ぎ”に即応

2) 安全とコンプライアンス:ゼロ事故の証跡

  • 合図者の明確化、吊荷下立入ゼロ、立入禁止のゾーニング

  • 養生・角当て・バンドのSOP(写真つき手順)

  • 点検・KY結果を写真+タイムスタンプで残す

3) 品質(ダメージゼロ):置き方が生産性を決める

  • 先入れ先出し、曲げ・反り防止、作業順に合わせた並べ替え

  • 階段上げの人員配置や**中継置場(バッファ)**の設計

  • **“翌日の1手目が軽くなる”**配置図

4) トレーサビリティ:数・場所・状態の見える化

  • ePOD(数量・ロット・配置場所・傷の有無)

  • フロアごとの配置マップ共有(スマホ)

  • クレーム時の因果切り分けが即日で可能

5) サステナ&コスト:ムダ歩きゼロ/再利用前提

  • リターナブル養生・台車共用化、空搬送の削減

  • 搬入→バラシ→回収までの往復設計

  • KPIはOTIF(時間内・数量内達成)×損傷率×待機時間で評価


3|“価値提案”としての商品化(そのまま使える型)

A. OTIF保証パック(時間と数量の約束)

  • 到着時間±15〜30分数量100%配置完了時刻をKPI化。

  • 超過時は待機課金代替車手配SLAでフェイルセーフ。

B. ダメージゼロ&作業効率パック

  • 養生仕様・角当て・台車種の標準化、作業順配置図の提出。

  • 翌日の**“1手目短縮時間(min)”**をレポート。

C. デジタル同期パック

  • ETAダッシュボード+ePOD+配置マップをまとめて提供。

  • 監督・職長が**スマホで“どこに何枚”**を即確認。


4|現場で効いたミニ事例(ショートケース)

  • タワマン内装期/ボード200枚/フロア

    • Before:EV渋滞→大工手待ち多発。

    • After30分スロット各戸バッファ矢印養生

    • 効果:1フロア完了が**−90分**、損傷率ほぼゼロ。

  • オフィス改修/夜間限定

    • Before:搬入路が狭く騒音クレーム。

    • After静音キャスター養生材変更台車待機列の視覚化。

    • 効果:クレームゼロ、搬入本数**+15%**。


5|受入条件チェックリスト(合意すると強い)✅

  • 搬入時間窓/クレーン・EVの占有スロット

  • 搬入ルートの幅・高さ・曲がり半径

  • 仮置き可能スペース(中継置場)の有無・サイズ

  • 養生基準(床・壁・角)と静音要件

  • 合図者・連絡先、気象限界(風・雨・雪)

  • 待機課金・代替手配・順延のルール


6|90日でできる“ニーズ対応”ロードマップ️

0–30日

  • 積込み・養生・搬入・配置の**写真つきSOP(A4×3枚)**を作成

  • スロット予約表配置図テンプレを標準化

31–60日

  • ETA共有+ePOD運用開始(無料ツールでもOK)

  • 主要3現場で**中継置場(バッファ)**を試験導入

61–90日

  • OTIF×損傷率×待機のKPIレポートを月次化

  • 監督向けに**“受入条件シート”**の合意運用を開始


7|これからの変化に備えるヒント

  • ユニット化・大型化:一度の揚重で“置き切る”設計が増加 → 搬入路・回転半径の事前検証が鍵。

  • 夜間・静音ニーズ:商業ビル改修が増加 → 静音キャスター・低騒音機材・照度計画をパッケージ化。

  • 人手不足多能工化道具の自動化(昇降機・簡易リフト)で“軽く・速く・安全に”。

  • 環境配慮リターナブル梱包・台車リースの共同化、搬入計画のCO₂可視化が評価指標に。


結び――“運ぶ”から“前に進める”へ

荷揚げの価値は、時間・安全・品質・証跡・環境の五角形で決まります。
段取りが良ければ現場は速く、安全は上がり、コストとCO₂は下がる。
運ぶ人から現場のスループットを設計する人へ。
この視点を持つ荷揚げ業者から、指名と信頼が集まります。次の現場でまずは、スロット予約・ePOD・配置図の三点を。
“待たせない・壊さない・止めない”を、チームの新しい標準にしていきましょう。✨

 

 

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